まだ少し待っててね

20歳の次男が2017年4月に自死しました

たられば

結婚しようと言われていた彼氏も同居をすることになり、一昨年から6人で暮らし始めた


私の両親の具合が悪いので、

実家に帰ろうと考えていたのだが、

子供達も彼氏も反対した


昨年の夏、黙って3日間キャンプに行ってきた次男が、ひょっこり帰宅すると、

まず彼氏は叱ろうとした


少し言いかけた時、長男が「今、言わなくてもいいでしょ」と遮り、

私も「疲れたでしょう、湯船入って早く寝ちゃいなね」と暖かいスープを出した


結局、彼氏は「みんな心配するから、外泊する時には、書置きするとかしていかないとね」とだけ言った


「刑事が死ぬ為に家出したんじゃないか?とか聞くんだよ、そんな訳ないのにね」と笑う私

「うん、けど山で一緒に景色を見ていたお爺さんに、死ぬなよとか言われたんだよね…死ぬ様に見えたのかな」と答えながら、次男は何を考えてたんだろう


~したら良かったのか、

~すれば良かったのか…

考えても仕方ないのは分かっているが、

あの時に叱らなかった事を彼氏は悔いている


私は、次男の会社の上司に「明日になったら本人から連絡させるが、2~3日、会社を休ませて欲しい」と頼み、警察署にも連絡した


翌日、刑事は長男と次男の部屋で、次男に少し注意をすると帰っていった


そして次男は、会社を退職する事に決め、

私と彼氏と一緒に、事務所へ荷物を取りに行った


「少しゆっくりするといいよ」

私は、そう言った


あの時に、もっと突っこんで色々と聞いていれば、こんな事にならなかったのか?


まさかその8ヶ月後に、本当に居なくなるとは考えてなかった私は、“トリックアート展"に誘った


私が次男を撮ったのは、これが最後の写真だった



小さな頃は、写真や動画をよく撮ったのだが、大きくなると減ってくる


もっと撮っていたら良かった…

たらればの後悔ばかりだ


トリックアートの亀に乗っている次男を見ていると、

沖縄旅行でゾウ亀に乗って、餌をあげていた次男を思いだした



動物が大好きな優しい子供だった