まだ少し待っててね

20歳の次男が2017年4月に自死しました

愛地球博

平成17年の8月、長女を除いた家族で、愛知万博に2度行った
長女も誘ったが「受験生だし、夏期講習があるから」と断られてしまった


7月に亡くなった祖母(母方)の家に寄り、

お線香をあげてから、愛知へ向かった


1度目は8月15日に行った
凄い入場者数で混雑していた万博は、とにかく暑くて、
マンモスラボで並んでいる時が1番辛かった


モリゾーの帽子を被らせた次男が、とても似合っていて可愛かったが、
カメラを忘れた事に気付き、インスタントカメラを買い、何枚か写真を撮った


パスポートの様な表紙のノートで、
スタンプラリーを始めると案外楽しくて、
「途中になっちゃったから、また夏休み中に来ようね」
と、子供達と約束をして、万博会場を出た


当時、愛知に“イタリア村"が出来たばかりだった

イタリアに行きたがっていた私と次男は、そこに寄るかどうか迷ったが、

「今度でいいか」と、寄らずに京都に向かった
ネットで予約を入れておいたホテルは、1人1泊1400円で
「安すぎるから、お化けでも出るんじゃないの?」と、話していた
部屋に行くと普通だし、茶菓子に八ツ橋も置いてあり、
勿論、お化けも出なかった


次の日は、川床で懐石料理を食べ、トロッコに乗って、ライン下りもした


京都に行ったのは、大文字を見たかったからだ
夜になるとホテルの屋上はビアガーデンになり、解放された

私は生ビール、
子供達はジュースを飲み、フランクフルトを食べていた

「送り火は、ご先祖様の魂を送る為に焚くんだよ」
私が教えると、子供達は
「へー、凄いね」と、船や大の形の送り火を見ていた


8月末に再度、愛知に行き、万博で続きのスタンプラリーを始めた
「もう万博は終わるから、これで最後だね」
結局、スタンプを全て集める事は出来なかったが、満足感があった


愛知から帰りの東名高速は、激しい雨が降っていた
由比で、凄い波飛沫を横目に見ながら運転をした
雨で前が見えず、運転に疲れてしまい、海老名で朝方まで休む事にした


帰ってから現像に出すつもりだった、インスタントカメラは、
どこかで落としてしまったらしい


残っているのは、うちわとスタンプとモリゾーの帽子だけで、
撮った写真を見る事が出来なかったのが、本当に残念だ




子猫の時は、手のひらに乗るくらい小さかったのに、


牛の様に大きくなった

長女がワンダーコアをやろうとすると、必ず乗っかって邪魔をする




牛猫の往復


長女と次男が白黒猫と遊んでいる動画が何個かあった

ついこの間まで、日常だった筈なのに

次男の話し声も笑い声も、もう聞くことが出来ない…


それにしても長男と次男の部屋は汚いな


次男が居た時には、好きだったベッドも

逝ってしまってからは、

試しに長男が横になっても、もう登らなくなってしまった

「ベッドが好きだったんじゃなくて、弟が好きだったんだ…」

長男が言った