まだ少し待っててね

20歳の次男が2017年4月に自死しました

仕事納め

私が2年前まで勤めていた会社は、朝が早く夜も遅かった

「一緒に過ごす時間が少ないから、転職して欲しいな」

彼と同居を始める時に言われ、一昨年の11月に退職をして、

12月から近所でパートを探した


面接をすると、私の希望とは、仕事内容も勤務地も全く違うものになり、

車での通勤時間が、往復2時間も掛かる場所へ配属になった

土日祝日は休みにして欲しいと、面接で伝えたが

「最初だけだから、人が集まるまでお願い」と、シフトを入れられた


遠いのに交通費が出ず、時給が安い、仕事内容は求人と違うし、辞めようかな…

悩み始めた去年の6月、家から歩いてすぐの所に、求人の貼り紙を見つけた

電話を掛けると、週に3日間の勤務で、すぐに採用が決まった


最初の2ヶ月間は、掛け持ちで働いていたが、近所のパート先で、

「もう1人のパートさんが辞めてしまうので、

毎日来てくれません…?」と相談された

遠い職場を辞め、8月からは近所の職場に毎日行くことになった


この職場は、ボスと女上司と私の3人しか居ない

ボスは大体、自分の部屋に居て、顔を合わせることが少ない

女上司は、私とたぶん同世代で勤続20年以上だと思うが、

私が出勤する日は殆ど仕事をしない

雑誌を読んだり、ネットを見たり、スマホを弄ったり、

水晶か何かを繋げたりしていて、いつも私に仕事をさせている


彼女は、スピリチュアルな世界が大好きなナチュラリストで、

色々な洗脳を仕掛けてくる


シャンプー、洗剤、柔軟剤、紙ナプキン、煙草(大麻ならOK)、

小麦粉、白砂糖、牛乳、化学調味料、西洋医学などが嫌いで、

瞑想とヨガを欠かさず、経血コントロールや、セルフ腸内洗浄もしている

趣味は、断捨離と怪しげなセミナー通いだそうだ



「(私)さんの猫は、異次元に迷い込んだんだと思います

外に出て居なくなったんじゃ無いんだから、玄関のおまじないは、意味が無いでしょう」

彼女は、真顔で私に言った


彼女が好きな物を、否定するつもりは無いが、

自分が正義だと思っていて、私に意見を押し付けてくるのでタチが悪い

うっかり反論しようものなら

「せっかく教えてあげてるのに…気分が悪い」

と、マシンガンで文句を言ってくる


「去年辞めたパートさんが、某カルト宗教を布教してくるのが迷惑なんだけど」

と、彼女は言っていたが、私から見たら、ナチュラリストも宗教みたいな物だ

「経皮毒がー」

「引き寄せの法則がー」

そんな話は、はっきり言って聞きたくない


彼女が仕事をせずに、私にだけ働かせることにも腹が立つが、

この人の押し付けと決め付けが、何よりも嫌でたまらない


うちの次男が逝ってしまった後、彼女が父親を亡くした時の話をした

「私は葬儀で泣いたら、それですっきり終わった

父が死んで2年も経つのに、うちの姉は、まだ引きずってて悲しいとか言うんですよ

本当にドン引きですよ」

そう言い放った彼女に、私がドン引きをした


「(私)さんは、引き寄せてるんですよ」

「何をですか?」

「今年、不幸な出来事が色々とあるのは、

潜在意識でそういう事が起こると、思っているからなんです」

私は、少しムッとして答えた

「私が災難を貰いたいなんて、思ったりする訳がないじゃないですか」

「だーかーらー、自分じゃわからない潜在意識が、災難を呼んでいるんですーぅ」


私が潜在意識で、次男に逝ってしまえと、

洗濯機に壊れろと、車の追突事故にあえと、

猫に消えろと願ったと言ってるのか…??


「へー、そうなんだ?」私が適当に相槌をすると

「そうなんですっ」彼女は、念を押した



仕事から帰宅すると、すぐに夫に愚痴った

「相変わらず、彼女はデリカシーが無いね

普通、子供を亡くした人に、そんなこと言うか?

もう無理なら、我慢せずに転職したらいいよ」

そして私は、無気力が増した

職場に行くことを考えると、胃痙攣を起こし、胃液を吐く


これまで、この職場はパートの人が続いたことが無いらしい

私は1年半になるが、皆が半年から1年以内に辞めてしまうのは、

きっと彼女のせいなんだろう

もう少し我慢をするつもりだが、私も、いつまで持つか、わからない

仕事中、ほぼ彼女と2人きりなのに、そんなことばかり言われ続けているから、

朝から憂鬱が増し、仕事を休みたくなるんだなと思っている


今日は仕事納めだ

午前中は通常業務、午後は大掃除をする


本当は明日から3日までが、正月休みだが、

夫は6日まで休みなので、私も希望休を出すつもりだ




次男と犬

雌だけど次男にしがみつく


次男とキジトラ猫


みんな、どこへ行ってしまったんだろう

8回目の命日

2年前に越してきた今の家は、前の家よりも部屋数が少なく、子供部屋は3部屋しかない

4人はジャンケンで部屋割をした

長女と次女は個別の6畳部屋に、長男と次男が8畳の相部屋に決まった


次男が寝ていたロフトベッドは、次女のおさがりだった


次女は4歳からピアノを習っていたが、

中学で吹奏楽に入部すると決めていたので、

小学校を卒業する直前から、トランペットも習い始めた

その時に中古のトランペットを買った


次女が中1の秋、生徒会副会長になったので

「ボーナスが出たら、お祝いで新品のトランペットを買ってあげるよ

予算は20万円くらいね」私が言うと

「トランペットとシャイニーケースと、ロフトベッドが欲しいんだけど」と次女は答えた


シャイニーケースは、案外高かった

結局、楽器店で13万円くらいのトランペットとシャイニーケース、

ニトリでロフトベッドを買った

そして中古で買ったトランペットは、次女が次男にあげた


次の年、次男が中学で吹奏楽に入部すると、トランペットで希望を出したが、

男の子だからという理由でチューバになった

チューバの値段は150万円くらいすると聞いたので、

学校の楽器をレンタルして、マウスピースだけを購入した


前の家に住んでいる時、あんなに欲しがって買ったベッドを

「やっぱりいらないから弟にあげる」

と、次女が次男にあげた

次男は居なくなるその日まで愛用していた


次男が居なくなって暫く経ち、長男は遺品整理を始めた

たまたま部屋に行くと、長男が次男のボーイスカウトの帽子を捨てようとしてたので、

私は慌ててゴミ袋から拾った

「なんてことすんの」私が怒って言うと、長男は

「だってボーイスカウトに入らなかったら、弟は山なんか好きにならなかった」


長男が部屋を片付け、ロフトベッドを解体した

私は、次男がいた部屋から次男の形跡が消えていくのが寂しくて、リビングに戻った

今は、次男が過ごしていた部屋とは全然変わってしまっている


次男が買ってくれた、このカレンダーは、あと2日で終わってしまう

この家から少しずつ、少しずつ、次男の形跡が減っていく…

産み分け

「うまく産み分けたよねー」

色々な人に何回も言われたが、私は別に産み分けをした訳ではない


「子供は女女男の順番で、3人欲しいな」と、よく言っていた

私は弟と仲が良くないから、姉か妹が欲しかった


私の通っていた病院は、性別を教えない方針だった

お腹の中の長女が9ヶ月になった時、院長が聞いた

「どっちがいいの?」

「絶対、女の子で…名前も決めてます」と答えると

「まあ、教えないけどね」と笑った

会計の時に、看護師が窓口に顔を出し、

「最近、顔が優しくなったわよね」

そう私に言ったので、女の子だな…と確信した


その当時、私が出産した病院の母親学級では、うつぶせ寝と布おむつを推奨していた

「でも必ず、うつぶせ寝用の布団を買って下さい、普通の布団では窒息死します」

布団屋に見に行くと、アイロン台の様に硬い、

西川のうつぶせ寝用布団は4万円もした


職人の卵だった前夫は、日給月給で日当が5千円だった

毎朝6時頃、親方が車で家に迎えに来ると、“プップッ"と警笛を鳴らす

そうすると弁当を持って出て行き、夜7時頃、親方が家まで送り届けてくれた

ずっと休み無しで働き、給料は毎月15万円貰っていた

家賃や生活費、検診代が掛かり、出産費用や電話の権利金も貯めなければいけなかった

猫と留守番の私は、朝から夜まで内職をしていた

内職代を貯めて、産着やうつぶせ寝布団は、ピンク色を買った

さらし1反から布おむつを7枚取れるので、10反買った

まだミシンを持っていなかった私は、70枚分、手縫いをした


長女を出産後、前夫が親方に日当の相談すると、

毎月10万円ほど給料を上げてくれた

その後、18歳になってから運転免許を取得すると、更に給料は増えた


長男を妊娠して9ヶ月になると、また院長は聞いた

「絶対、女の子で‼名前も決めてます」

「じゃあ、ショックを受けない様に教えといてあげる、

サービスだからね、これが玉だよ」

エコー画面を指さして、院長が言った


次女を妊娠した時には、既に男女居たので、性別はどちらでも良かった

院長にも「どっちでもいいんでしょ?」と言われた


次男の妊娠9ヶ月で聞かれた時には

「女の子がいいです、年子だから双子みたいに育てるんです

名前も決めてるんです」と答えると、

院長は「ふーん、ところで縛る?」と言った


結局、女→男→女→男の順番で4人兄弟になった

友達の家は、男4人が2組、女3人が3組、女2人など、偏りが多い

自分の思い通りには、いかなかったけれど、

2人ずつで丁度良かったな…と、私は思った

これ以上、子供が増えると生活が不可能になると思い、

次男を産んだ次の日に、卵管結紮の手術を受けた


長女を出産した日に同室になった人は、今の私と同じ年齢で4人目の出産をして、

1番上の子が中学2年生だった

「もう上に3人男の子がいるしね、堕ろそうと思ったのよ

だけど中絶手術の時に、やっぱり産みますって院長に言ったの

それで産まれたら念願の女の子じゃない、もう嬉しくって…

これ以上、子供はいらないから、明日、卵管を縛るのよ」


うちの母と叔母(母の妹)は、帝王切開だったから、2人産んだ後に卵管を縛った


「自然分娩でも縛れるんですか?」と聞くと、

「まあ、あなたも4人目が出来たら、院長に縛る?って聞かれるわよ」と言われた


その時には、まさか私が4人も子供を産むとは、思っていなかった




あけぼのこどもの森公園

この写真、私の大のお気に入りだ


所沢航空記念公園

たまに連れてったこの公園の中には、博物館があり、

水遊びが出来る場所もあったりする

よく家族5人でバドミントンを楽しんだ