まだ少し待っててね

20歳の次男が2017年4月に自死しました

山の宿

「遺体は明日か明後日にお返しする事になるので、

今日は、こちらに泊まって行って下さい

もし宿の希望が無ければ、こちらで探して手配しましょうか?」

と刑事に言われ、おまかせする事にした


「葬儀は、こちらでされますか?ご自宅の方でされますか?」


なんかの間違いであって欲しいと思って来たので、

なんの用意もせずに飛び出してきた


猫達のご飯も水も少ししかあげてきてないし…

お腹すかせてるかな


ぼーっと、そんな事を考えていた


彼氏は、東北のお父さんに葬儀の事を相談して

「そこで火葬をして、お骨で連れ帰った方がいい」と教えて貰った


彼氏に「どうする?」聞かれて

私は「うん」と答えた


「連休中だから医者が休診中で…

時間が掛かってしまい、すみません

遠方から来られているし、

なんとか早めに死体検案書を書いてくれる診療所を探しているのですが…」


刑事は数人で探してくれていた

暫く待つと、

「書いてくれる先生が見つかったので、

明日の朝9時頃、診療所に取りに行って下さい

検案書が無いと死亡届が出せず、葬儀が出来ないのです

それを取りに行ったら、またこちらに来て下さい」と、言われ警察署を出た


宿は近かった

素泊り1人4千円を5人、2泊分の宿泊費を払うと、

柏餅を5つくれた


私は餡子が好きではないが、

次男は、どら焼きや柏餅が好物だった


宿には50kg超えのゴールデンレトリーバーが居て、

次男が喜びそうだな…と思ったら、また涙が出てきた


うちの方では、もう暑い位の気温だったが、

ここは寒く、まだ石油ストーブを使っていた


私は、父親と親戚の叔母さんに連絡を入れ、

彼氏は、葬儀屋を探して決めてくれていた





小学生だったこの頃は、私と毎朝、犬の散歩をしていた


数ヶ月前にペットショップで秋田犬を見てから、何回も欲しいと言っていた


あの時に犬を飼っていたら、

次男は逝かなかったんだろうか…




スノーボードによく行っていた私が、夏に滑りたくなった時の為に、

ブレイブボードを購入すると、次男が気に入り毎日乗っていた


よく2人で一緒に滑って遊んだ