まだ少し待っててね

20歳の次男が2017年4月に自死しました

最後の場所

お骨になった次男を宿に連れて帰った後、

また警察署に向かった

次男の最後の場所を、案内してくれる事になってたからだ


警察のワゴン車に乗ると、

刑事は「ここから近いですから」と、また言った


車で片道40分くらいだったと思う

私は後ろの席の窓から、花びらが散っていく桜を眺めていた



何故、次男は逝ってしまったのだろう…


検案書には29日頃(推定)と書かれていたが、

たぶん前日の夜21時過ぎだと思っている


あの日あの時間は、猫たちの様子も変だったし、

私達も、おかしかった


次男が最後にネットで「おやすみ」と書き込んだのは、

28日の20:50過ぎだった


その日の次男は、14時頃から、ネット上で何回も独り言を呟いていた

きっと寂しかったんだ…


「辛い…」

そうあったが、何が辛いのか特に書かれていない


28日の昼前に、近所の薬局でドリエル等を買い、

一旦、家に戻り、迷っていたのではないか…

そして14時過ぎに決心をし、それから山に向かったのではないか…


本当のところは、次男に聞いてみないとわからない


私が逝く時に、次男がお迎えに来たら、聞いてみよう…

などと考えている間に、車は山道を進み、そこに着いた



こんな所にテントを張って…

街灯が無い真っ暗な夜に、ヘッドライトの灯りだけで、

一体どんな気持ちで山道を歩いて登ったんだろう

少しも家族の事を考えずに、逝ってしまったのか

ご飯も前日に秋葉原で食べた物が最後だったんだろう


同室のお兄ちゃんが、このところ風邪で暫く体調不良だったから、

次男の体調も優れなかったんじゃないのか…


麓から1時間ほど登った、この場所にしたのは、

次男の妥協ではないかな…と、なんとなく思った