海での捜索
茨城県の海水浴場に連れて行ったら、ほんの少し目を離した隙に、
次男が行方不明になった事があった
4歳の次男は、死んでいる大きな魚を抱えていた
私は、左右にいた長女と次男に、同時に話しかけられた
長女に答えてから次男の方を向くと、もう次男は居なかった
朝10時頃から5時間ほど、海の監視員は空から、
私は歩いて次男を捜していた
海の反対側は崖の様になっていたので、
心配で堪らなかった
夕方になれば見つけ辛くなるからと、
15時過ぎに警察に捜索願を出すと、
千葉県の海の家で保護されていた
次男は「まま~」とニコニコしながら、
パトカーから降りてくる
「子供は、海岸線をずっと歩いて行ってしまうという事が、よくあるんですよ
それにしても、ここから次の海水浴場までは、
かなりの距離があるのに、よく頑張って歩いたね」
次男の頭に手を置き、巡査が笑った
「次男くん、何やってんの」と私が言うと、
「見て見て~こんなに沢山、蟹捕まえたんだよ~」と満面の笑みで、
バケツを見せてきた
「ご飯を食べさせた後、バケツを与えたら、
静かに蟹を捕まえていて、お昼寝もしました
お利口でしたよ」
と海の家のおじさんは言った
「いつも勝手にいなくなったら、だめだって言ってるでしょ」と私が言うと、
「死んでいるお魚さんを、埋めに行きたかったんだ
そのままだと可哀想だから、埋める場所を探そうと思ったんだ」と次男は答えた
次男が逝ってしまったという事を、
私の友達には、3人だけにしか知らせていない
同じ位の年の男の子がいる友達には、なんとなく教えたくないからだ
茨城の海に一緒に行ったのは、私が中学の時からの同級生で、
遺骨を持ち帰った時に、LINEで連絡した
友達は、仕事が終わると疲れているのに、
わざわざ他県からお線香をあげに来てくれた
「茨城の海の時は、居なくなって大変だったよね」
「うちに来た時、〇〇ちゃん、このピーマン食べてもいい?って
次男くんが私に聞いてきた顔を思い出しちゃって、
仕事が手につかなかったよ」
結婚してからも家が近くて、子連れで遊んでいた
次女を出産する時には、上の子供2人を1週間預かってくれた
友達が離婚して他県に引っ越してしまってからは頻繁に遊ぶ事もなくなり、
最近はLINEの会話だけだった
久しぶりなのに、今回の事でなんて会いたくなかった
友達の子供は女の子2人
一緒に公園で水遊びしたあとだ
友達が引っ越すまでは、よく遊んでいた
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