まだ少し待っててね

20歳の次男が2017年4月に自死しました

体調不良

去年の秋、私は体調を崩して2ヶ月間、出血が止まらなくなった

貧血が酷くなり、仕事中に腕をあげようと思っても、

自分の体ではない様な重さで、あがらない

フラフラして歩くのも辛かった


この辺の産婦人科を知らない私に、職場の人が紹介してくれた

医者は「この量の出血が続いてるとなると、癌かもしれないな」と言った


貧血と子宮頸癌と子宮体癌の検査をした

結果は1週間後だからと、薬を処方される事もなく帰された


次の週、検査結果に頸癌も体癌もなく、貧血だと診断された

貧血が酷いから止血して貰おうと、婦人科を受診したのだから、

診て貰う前から、そんな結果は知っていた


出血の原因は、わからなかった

その婦人科で、プラノバールとフェロミアを10日分だけ処方されたが、

飲みきっても貧血は治っていない


この病院は私と合わないな…と思い、少し遠いが、前に通っていた婦人科に戻ることにした

処方されたピルは3ヶ月分、貧血の薬は2ヶ月分、飲み終わる頃には随分とよくなった


貧血が治りかけた頃に、ぎっくり腰になった

重い物を持った訳でもないのに、いきなり腰に電気が走った

寝返りをする度に悶絶をする1週間

ボルタレンとコルセットと湿布で凌いだ


腰が治る頃、今度は肘が痛み始めた

整形外科で「この痛みはテニス肘ですね、

痺れは続くならMRIに入って脳の検査をした方がいいかもしれないね」

と診断された


立て続けに体調不良を起こす私に、次男は

「病院代、全部俺が払うから、大きな病院で検査してくれよ」と言った

「大丈夫だよ~」私が答えると、

「心配だからさ」と返ってきた



次男が逝ってしまう少し前、

「最近、体調はどう?」と、私に聞いてきた

「うん、少し調子良くなってきたかな」私が言うと

「よかった~」と次男は言った


あの時、私が「まだ全然だめみたい…」

そう答えていれば、私を心配していた次男は、

死を選ぶ事は無かったんだろうか


「心配だからさ」

耳に次男の声が貼り付いていて、こだまする





イクスピアリが出来たばかりの頃、よく連れて行った

映画を観たり、買物したり、ご飯食べたり…


次男は、雷が鳴ったりするジャングルの様なレストランがお気に入りで、

行く度に「ここがいい」と、何回も食事をした