まだ少し待っててね

20歳の次男が2017年4月に自死しました

よさこい

心療内科で処方されたメイラックスとジェイゾロフトを全て飲みきる頃には、

毎日3時間位、続けて眠れる様になっていた


2回目の心療内科へ向かう車の運転をしながら、

「薬を減らして貰おう」と考えていた


「どうですか?」聞かれた私は、

「少し続けて眠れる様になりました」と答えた

「それでは、薬を増やしましょう」

「え?少し眠れる様になったから、減らして頂きたいんですが」

私がそう言うと、医者の目が翳った気がした

「じゃあ、そのままの量にしましょう」


今回の診察は5分と掛からなかった

きっと私が、薬を増やす事を拒んだからだ

「次回の予約は3週間後」と言われ、モヤモヤしながら診察室を出た


その夜、私の体から発疹が出始めた

痒い…

常備薬のレスタミンを飲んでも痒みが治まらずに、発疹が増えていく


多分これは薬疹だな

薬は2週間後から効き始めると言っていた

効いてきたから、ポツポツ出てきたんだな…


「そういう薬を飲まないで」

次男が言っている気がした

心療内科にキャンセルの連絡を入れ、薬を飲むのをやめた


近所の病院で発疹を診てもらい、レスタミンの塗り薬を貰った


長女は今年になってから、参加するよさこいチームの練習に毎週行っていた

次男は、このポスターを見て

「すごいねー、長女ちゃん」と言っていた


「札幌まで見に来てよね」

長女は、私と彼氏に、宿と飛行機のチケットをプレゼントしてくれていた


「弟の49日も終わってないのに、よさこいどうしよう」

また長女は悩んでいた

「次男くんがすごいねーって言って応援してたんだから、

行って踊った方がいいと思うよ」


6月10日の早朝、羽田に着いた時には、私の全身が発疹で真っ赤になっていた