まだ少し待っててね

20歳の次男が2017年4月に自死しました

過去の私③

祖父母は結婚に大反対で、母と男は入籍を許されず、
小学3年生だった私はホッとしていた


祖父に、本当の事を告げ口した私に、母はヒステリーを起こし、男もキレた
それから毎晩、私は「寝ている間に殺されるかもしれないな」と思い、ドキドキしながら布団に入った

祖父のお店の前で、母と私
母屋の裏にある離れで祖父に言いつけた



私が中学に上がる頃、母と男の夜中の喧嘩が増えてきた
寝ていた私は、ドスンという大きな音に驚き、居間を見に行くと、母はTVを投げていた
また、ガラスが割れる音が響き、飛び起きる日も多くなった


男が働かず遊ぶ金をせびるのが、母は今更、腹が立ってきたのか文句を言い始めた
その八つ当たりで私や弟は、男に殴られる回数が増え、
絶えず顔や体に痣があった


中学1年の終わり頃、初潮を迎えた私は
「男に言わないでくれ」と頼んだが、口の軽い母は男に喋った


水商売で、夜は母が家に居ないのをいい事に、
寝ている私のベッドに、酒臭い匂いをさせ、毎晩、男は来るようになった


苦痛だったが、母には言えなかった
「早く家を出たい、男が死ねばいいのに…」
そんな事ばかり思っていた






EGO-WRAPPIN'『色彩のブルース』

過去の私②

商売をしている祖父の家に預けられた私は、保育園に通い始めた


保育園の卒園式前の雪見遠足、祖父と一緒に


3ヶ月経ち、卒園式が終わると母が迎えに来たが、

引越しをして家が変わっていた



1年生の終わり頃、また転校させられた

小学校に上がってからは、トータルで3年くらい、祖父の家に預けられた

母は、私を預けた理由を「2人育てるほど、生活に余裕が無いから」

と、祖父に言っていたが、たぶん違う

毎日、外食か店屋物のごはん、夕方になると美容室で髪のセット、

少しの距離でも歩かずタクシー移動、

毎週日曜日に、伊勢丹で20万円以上するスーツを買っている母が、

お金に困っている様には見えなかった


2年生(7歳)の私を、東京駅まで迎えに来た母が、

「実は今、男の人と住んでるんだけど、お爺ちゃんには内緒にしてね」

と、言った


私をお爺ちゃんとこに預けてるのに、男と住み始めたのか…


相手の男は、子供だった私にも、母の未来が想像出来るような、くだらない男だった

母と弟は、その男を“キャップ"と呼んでいたが、私は絶対に呼ばなかった

男は「キャップと呼べー」と私を殴り続けた


3年生になると、母は「キャップと結婚するからね」と言い、

男は無免許なのに、友人から借りたという車を運転して、

祖父の家に挨拶に行った

祖父は、離れに私を呼び「あの男はどうなんだ?」と聞いた

「仕事してないし、お酒を飲んで暴れるし、殴るし、

今日も免許を持ってない癖に、運転して来たんだよ」

私は言いつけた




祖父と従兄弟と私(5年生10歳)、箱根

スワンボートに乗ったが、私があまり漕がないから、

祖父が「俺ばっかに漕がせて(私)ずるいぞ」と言って笑った

過去の私①

私が幼稚園の時、両親が離婚した

本当の父親は、ろくでもない男だった


会社の金を使い込み、祖父(母方)が返済した

勝手に祖父を保証人にし、借金を繰り返しては、

その度に祖父が肩代わりしてあげたらしい


私が父で覚えているのは、いつも母を怒鳴り、殴っていた事と、

殴った後には、必ず自傷行為をするという事だけだった


仕事もせず、暴力をふるう、酒乱でギャンブル好き

絵に書いた様な甲斐性無しだ


母は、父が作った借金の返済と生活の為に、クラブ勤めをしていた

祖父は「水商売をさせる為に、中学から私学に通わせた訳じゃない

大学まで行かせたのに…こっちに帰ってこい」と怒っていた


5歳の時、寝ている私を夜中に起こし、母が言った

「今度から(私)だけ、お爺ちゃんの所に住むんだよ」

「お母さんと離れるのやだよ」私は泣いた

「嫌なら、お父さんの所か、大きいお婆ちゃん(父方の祖母)の所に行ってもらうからね」

それにしても、うちの母は本当に酷い事が言える人だ


私は、祖父(母方)との生活を選び、迎えに来てくれた叔母(母の妹)夫婦と一緒に、新幹線に乗った

弟は母の元に残し、私は幼稚園をいきなり辞める事になった


年長の時の運動会、この少し後に転園となった



私は小さな頃から、叔母(母の妹)が大好きだった


結婚式の時には、遠くに行ってしまう気がして、この後に泣いてしまった


この叔父(母の妹の夫)は、先週、病気で亡くなった

叔父は巨人が大好きで、祖父はアンチ巨人だった

祖父の家の居間で野球を観ていて、巨人が勝っていると、

叔父は、大きな声を出して喜んだ

祖父はTVを消した

「何するんだよ~いいとこなのに」叔父が言うと、

「うるさい、俺のTVだ」祖父が答える


子供だった私は“大人なのに大人気ないな"

と、思って笑いながら見ていた


従兄弟2人が、飼猫に水を掛けて遊んでいた時には、

叔父は2人の襟を掴んで風呂に放り込み、シャワーを掛けて怒っていた

驚いた私は、叔母を呼びに言った


叔父は女の子を欲しがっていた

小さな頃、よく肩車をして貰ったり、釣りにも連れて行ってくれた


専業主婦で、普通の生活をしている優しい叔母は、お菓子が手作りだし、

幼稚園の送迎をして貰える従兄弟が羨ましかった



私が小学3年生の時、

「〇〇ちゃん(母の妹)の子供に産まれれば良かった」

そう言うと、母は凄くヒステリーを起こし、泣き叫んだ

「〇〇ちゃんの子供になればいいじゃない‼」



なりたかったよ、本当に…