まだ少し待っててね

20歳の次男が2017年4月に自死しました

私の悩み②

父がお願いした見積書の事で、営業に来た工務店は、私が断った


写真の向かって右隣の友達の両親は

「うちから学校に通いなさい」

と、家を出された16歳の私を、暫く居候させてくれた

朝食が出来ると起こしてくれて、

学校やバイトが終わって帰ると夕食が出来ていて、お風呂が沸いていた


普通の暮らしってこういう感じなんだな…

不思議な気持ちだった


「うちは、娘がもう1人増えて嬉しいんだからね」

友達の両親は、そう言ってくれたが、優しくされるほど、

世話になっているのが申し訳ないと思った

高校の学費も払わないといけないし…と考え、

退学届を出そうと決めて、お礼を言って友達の家を出た


彼氏と東北のお母さんには、私が実家に戻る事を反対されていた
「子供の頃から、酷い仕打ちを受けてたのだから、
面倒なんか見る必要は無い
わざわざ不幸になる道を選んじゃ駄目だ」


いつも選択肢を間違えてしまい、人生の方向音痴だなと思っていた私に
「年内には結婚前提で一緒に暮らそう」彼氏は言った


本当は私だって、散々脛をかじり我儘を聞いて貰っていた弟が、
親の面倒を見るのが、当然だと思っていた

けれど、両親も弟も似た者同志だ
「利用できるものは利用する」
弟にとって利用できなくなった両親は、もう価値がない
だから親の面倒を見る訳がない…


そう思うと、あんなに弟を溺愛してた母が、少し可哀想になってきた
「ああ、(弟)くん、もうすぐ20歳になるんだね
大きくなったね」
呆けて、私の事は忘れてしまっているが、
弟の名前を繰返し呼び、誰も居ない方向に話し掛けている


弟が結婚して嫁に取られてしまったくらいで、こんなに呆けてしまうなら、
この世界から、次男を取られてしまった私は、
どうなるんだよ…と思いながら、母を見ていた



椎名林檎 - カーネーション

何も要らない私が今

本当に欲しいもの等

唯一つ、唯一つだけ