まだ少し待っててね

20歳の次男が2017年4月に自死しました

私の悩み③

暫く悩んだ私は、“親と同居しない"と決め、実家に話しに行った

「結婚しようと言われている彼氏と、一緒に住む事になったから、ここには住めない

長男だし、いずれ東北に引越しするかもしれないから」

「一緒に新居を借りるなら、ここに住めばいいじゃないか」父(養父)はキレ気味に言った

「ここは仕事に通うのに不便だし」

私が答えると、我儘な父は不機嫌になった


「次女の成人式の着物代から貸すから」と言った20万円は返済されず、更に

「生活費が足りないから、毎月10万円振り込んでくれ」と言い出した


社会福祉士に相談した私は、また実家で話し合いをする事になった

「この家を手放して、安い賃貸に引っ越したらどうでしょう?」

「毎月17万円のローンを12万円に減額した所で、

年金だけで暮らすには、生活費が足りなくなるのは分かりきっている事ですし…」

「高いローンが20年も残っている様な4LDKの戸建に1人で住むよりも、

ここを売却して、ペット可の安いアパートを借りた方が、生活が楽になりますよ」

色々とアドバイスしてくれた


その時、父は凄い事を言った

「この家は30年の借地権の家なんだ

だから買い手がつくか分からない」


私達に「ローンを払って一緒に住め」と言っていた、この家は借地だった

もし実家に引越した場合、やっとローンを払い終わった私の老後には、

家を取り壊して更地に戻し出ていくか、

再度、借地を更新して契約金を一括かローンで払うか、

選ばなければいけなかったのだ

その時には、父は既に他界しているから関係ないのだろうが、

私は開いた口が塞がらなかった

“今回は人生の選択肢を間違えなくて良かった"

心からそう思った





「次女の着物代から貸してあげるから」

これは父が、お金をちゃんと返すように、わざと言った台詞だ

返さなかったという事は“孫の成人式なんかはどうでもいい"

と、いうことなんだな…と思った


長女の着物レンタルは、次女より15万円くらい高かった

ボーナス1回分、全て無くなった


長男の袴は、通販で借りた安物で、着付けは美容院でして貰った

変な髪型にされ「結婚式に来た変なおっさんみたい」

と、皆で笑った


次男だけは、成人式に行かず、写真も撮れなかった

もっともっとしつこく、色々な事を話し合えば良かった

仕事を辞めた事が恥ずかしいから、成人式に行かなかったんじゃないか…というのは、

私の勝手な想像だ

きちんと色々と聞いておけば良かった


そうしたら、次男の悩みや行動に気付けたかもしれないのに…