過去の私⑥
新居では毎晩、私の前で母達がイチャイチャしていた
母が水商売を辞め、夜に家に居るのが不思議な感じがした
先生はフィリピン人と婚姻中で、まだ母と入籍が出来ずにいた
その人は、日本の永住権が欲しかったから結婚しただけで、子供も居なかった
「違う人と結婚するから、離婚してくれ」
そう言うと、その人は失踪してしまったらしい
探偵を雇って半年後、ようやく見つかり、離婚成立となった
「苗字は変えないし、父親面をしないで」という条件で、私は母の結婚を認めた
既に「転校しない」という条件は反故にされていたが、
「後の2つは、きちんと守って」と伝えた
「今日から苗字変わったからね」
「え?」
中学3年の11月に突然言われた
「養子縁組を組んだから…
(私)は14歳だから、親の言いなりになるしかないんだよ、
仕方ないね」母が言った
「苗字が同じになったのだから、必ず今日からお父さんと呼びなさい
これ、お近づきの印ね」
新しく父になった先生は言いながら、私に1000円渡してきた
私は1000円で買われた様な、嫌な気持ちになった
お調子者の弟は「お父さ~ん」と、すぐに懐いたフリをしていたが、
私は相変わらずな態度を取り、お父さんとは呼ばなかった
一緒に住んでいても、性格も合わないし、沢山の嫌がらせをされた
「この人を家族なんて認めない、お父さんなんて絶対に呼ばない」
私は、早生まれな自分を恨んだ
15歳になってれば、嫌だと拒む事が出来たのに…
最初から騙して会わせた訳だし、3つの条件全ても反故にされた私は
「許せない…」
母と新しい父親に対してあった不信感が更に大きくなっていった
2歳の私が、お気に入りでよく着ていたワンピース
毎日、遊んでいた まことくん
三輪車をひっくり返して、石焼き芋屋さんごっこをした
泣かせてしまうと、まことくんのお母さんは、
うちにいつも怒鳴りこんで来て、母が謝っていた
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