まだ少し待っててね

20歳の次男が2017年4月に自死しました

心療内科

次男が居なくなってからの私は、

“趣味は寝る事"と言ってもいいほど大好きだった睡眠を、

うまく取れない様になった


眠くなるが、寝付いても10~15分で目が覚めてしまう

トータルで2~3時間睡眠の毎日で、次男の夢ばかり見ていた


「もうやだー、次男くんが死んじゃった夢を見たんだよー」私が次男に言う

「そうなの?」次男は答える

随分、嫌な夢見たな…

あれ?次男くん、なんでままの上に乗ってるの?


目を開けて暗闇で暫くボーっとする

ん?今の会話は何?

夢と現実が混じり、訳がわからない

そして、ハッと気付く

そうだ…次男は、この世界に居ないんだった…

この様な夢が毎晩、ループしていた


少し遅い時間に寝てみれば、眠れるかもしれない…

どんなに遅く寝ても、疲れてても、眠りは浅いままだった



GWが明け、仕事に復帰した

家に1人で居ると、心臓がバクバクして気が狂いそうになるからだ


涙が出そうになると裏に行く

やっぱりまだだめだ…


職場の人に謝った

「暫く休んで、沢山泣いといで…待ってるから」

5月末まで休みを貰った


しっかりと睡眠が取れない為、昼間うとうとする

軽く寝ては、すぐに目が覚め、お骨の前で泣く

その繰り返しだった


このままじゃだめだ…


初めて心療内科に電話をしてみた

完全予約制で、予約が取れるのは1番早くて10日後だった


30分ほどの診察の中、誰にも教えてない次男の死因を言った

「眠くなるのに、すぐ起きてしまうんです

眠り薬を下さい」と頼んだ

医者は「眠くなるのだから、それはいらないかな」と言い、

2週間分のメイラックスとジェイゾロフトを処方した

「この薬は心を落ち着かせるから、眠れる様になるでしょう

ただ効くまでに2週間位かかります

2週間後また来て下さい、予約を入れておきますね」


たぶん、私は洗脳されやすい

薬を飲んだ初日、3週間ぶりに朝まで眠る事が出来た

お骨を見ながら泣いて、気付くと夕方になっている…

そんな毎日から、少しだけ涙が減った気がした




鉄道博物館へ次男と2人で行った

Suicaで改札を通る様な入口に、次男は喜んでいた


外の本物の電車を眺めながら駅弁を食べた


特別展示の部屋に入るとき、切符に鋏を入れて貰うと、

次男の大きな目がキラキラ輝いてた

優しい子

Aとその両親の3人がマンションの下に着くと、私は言った

「まず、“Aが2丁目公園で遊んでいた事について、

裏を取っている"と言ってましたが、これは嘘ですね?

私はB君ママと仲が良いので、

いつも公園で遊んでいる子供達を教えて貰い、

全員に確認もしましたが、

“ずっとAは公園に来ていない"と言われました」


3人は黙っている


「それから名前と連絡先の筆跡を見て貰う為に、

コピーを持って、小学校へ行ってきました

先生は字を見てすぐに、“Aちゃんの字だね、間違いない"と言いましたよ?

あなた達、自転車屋で2人揃って“うちの子の字じゃない"って言ってましたよね?」


Aの父親は「Aは、いつも連絡帳やテストを見せないから、字がよくわからなくて」と言い訳を始めた


「は?字がわからない?

この間は“うちの子の字じゃない"って、はっきりと言ってたのに、

連絡帳もテストも見てなかったんですか?

じゃあノートの名前と連絡先も、

Aの字かどうか、わかりもしないのに否定したんですか?

自分達の嘘を棚に上げて、

うちの息子達に“この嘘つきが"とか “勝手に書かれて迷惑だ"なんて、

罵声を浴びせてたんですか?」私が聞くと、

Aの父親は、財布を開き

「ガラス代、半分払いますんで~」と、

今更、訳のわからない事を言ってきた

私は「結構です、いりません」と断った


「そして神社の集会所の子供会に参加していた全ての家にも、

聞き取りに行ってきました

Aと同じサッカーチームに息子を入れているという保護者の方から、

“神社でボールを蹴ったのはAで間違いない"と確認を取ってきました」

「うちの息子達に浴びせた罵声を取り消して、

今すぐに息子達に謝って下さい」

「あなた達は、自分の子の言う事が正しくて、

よその子は嘘つきだと決めつけてますが、

嘘ついてるのはAですよ?

Aは怒られるのが嫌だから、自分に都合のいい嘘をつくんです

あなた達の叱り方に問題があるんじゃないんですか?」

「“自分の子供くらい、ちゃんとしつけろよ

母子家庭の家は、これだからだめなんだ

人様の家に迷惑を掛けるな、この嘘つきのバカが"

そう言ってましたけど、そっくりそのままお返しします

両親が揃ってたって、子供の躾が全く出来ずに、

周りに迷惑を掛けてばかりじゃないですか

大体、嘘で子供を庇ったって、調べればこうやって、すぐにばれるのに…

親子で嘘つきなんて、どうしようもないですね」


私が言い終わると、Aの母親は「ぎぃぃぃー」と変な奇声をあげ、

「あんたなんか産まなきゃよかった」とAの髪を引っぱりながら、頬を何度も叩いた

「今すぐに死ね…死ね…死ね…」

言いながらAの首をしめていて、Aの父親がそれを止め、

私は呆気に取られていた


それまで黙って様子を見ていた当時の彼氏が突然キレた

「それ、子供に言ったらいけない言葉なんじゃねーの?」


Aの母親は「あーあー、私が悪いんでしょ

はー、謝りゃいいんでしょ、私が悪うございましたっ」

と不貞腐れ、土下座をした


「僕がゴールキーパーだったのに、

A君のボールをしっかり取らなかったのが悪かったんだ…

うちのままは優しいから絶対に許してくれるよ、だから頭をあげて

ねぇまま、許してあげて」

泣きそうな顔をした次男は、しゃがみこみ、

Aの母親の背中をトントンと叩いた


何言ってんの?次男くん…

この人達に“嘘つき"とか“バカ"とか、ひどい事を言われたんだよ?

どうして“ボールが取れなかった自分が悪かったんだから、

許してあげて"なんて言えるの?

やっぱり優しい子なんだな…そう思いながら、

「勘違いしないで下さい

謝ったって、私は絶対にあなた達を許しませんから」とAの両親に言い、

土下座をしている母親をそのままにして、

長男と次男の手を引き、自宅に戻った

結局Aとその両親は、息子達に謝らなかった



あれから12年7ヶ月以上経つが、私は今でもA親子を許していない

「あんたなんか産まなきゃよかった」

「今すぐに死ね」

あの母親は、自分の息子にそう言った

私は子供達に対して、そんな風に思った事も、言った事もない


あんなに優しい次男が、自ら逝ってしまったのに、

色々な人達を嫌な気分にさせ、問題を起こしてばかりいたA親子が、

酷い台詞を平気で口にするA母が、

今、どうしてるかは知らないが、

もし幸せに暮らしているとしたら…と思うと、

本当に理不尽で、腹立しくて仕方がない




幼稚園の発表会の動画を見ていたら、

次男は赤いクレヨンの役だった

小さな頃から、とても可愛い優しい男の子だった

証拠集め

Aが神社に居たという証拠集めを始めた

2丁目公園は、小学校の野球チームに入っている子供達が、集まって遊ぶ公園だ


ピッチャーでエースだったB君のママは、私と歳も家も近く、

長男とB君が同級生、次女とB君の妹が同級生なので、

家族ぐるみで仲良くしていた


まずB君ママに電話をしてみると、何故か既にこの話を知っていた

「災難だったねー、

うちもAとは、前に色々あったんだけどね…」


幼稚園から仲の良いママ友グループは、大抵B君の家で集まっていて、

私もよくお呼ばれされたが、Aの話題が出た事は無かった


Aは野球ではなく、サッカーをやっていたが、

サッカー仲間に嫌われていて、誰にも相手にされない為、

野球チームが集まる2丁目公園に、遊びに来ていたらしい


ある日、公園でAは

「今日は金があるから好きな物を買ってやるよ」と、

自慢げに5万円を見せたという

野球チームの子供達は、お菓子やカードゲームを買って貰い、

その中にはB君もいた


後日、家から5万円が消えている事に気づいたAの母親が、

野球チームの母親達に

「Aは“野球チームに脅されている

怖いから仕方なく家からお金を持ち出したら、

カツアゲされて全額無くなった"と言っている

リーダー格はBだ」と騒ぎたてたそうだ


「あの時は精神的にやられたよ」

B君ママも被害にあっていた


「2丁目公園で遊んでいたから神社には行ってない、

裏が取れてる…なんて嘘だよ

うちだけじゃなく、野球チームの皆が被害にあってるから、

もうAと遊ぶ子は居ないし、Aの母親も誰にも聞けないよ」


B君ママに、2丁目公園でいつも遊んでいるメンバーを教えて貰い、

その子供達に「昨日、公園でAを見掛けた?」と聞いてみたが、

「もうずっとAは公園に来ていないよ」という返事しかなかった


B君も他の野球メンバーも、Aと同じ中学には行きたくないから、

隣の中学校を選択したと聞いた


ちなみに、長女の卒業と入れ替えで入学した長男の学年のクラス数は、

7クラスから5クラスに減っていた

全員がAのせいかどうかは、わからないが、

2丁目公園のメンバー達は、確実に越境して隣の中学に進学すると決めていた



次に、長男が卒業をした小学校の担任の先生に電話をした

「こないだ卒業したばかりで、春休み中なのに申し訳ありません

長男と次男とAが昨日、神社でガラスを割りまして…

名前と連絡先を残したノートは、

勝手にAの名前を長男が書いただけと、

Aの母親が言うので、筆跡を見て頂けますか?

あと、まだ卒業アルバムが届かないので、

Aの写真があったら貸して下さい」

「いいよ、明日学校においで」


次の日、先生はノートのコピーを見るとすぐに、

「あー、これはAちゃんの字だね、間違いない」と言った

「でもAの両親は、うちの子の字じゃないって言うんですよ」

「じゃあ、私に見せて確認済だって言いな

Aちゃんの親に、私が電話したっていいよ」

「それからAちゃんの写真だけどね、修学旅行の時のだけど、これあげるよ」と、Aの写真を2枚くれた


先生は、いつもうちを気にかけてくれて優しかった

「息子のお古だけど、ボタンだけ付け替えて、長男に着せてやってよ」と、学ランを3着くれた

家庭訪問の時に、レゴ自慢をした次男に、

「レゴブロックは良い玩具だね

もううちの息子は遊ばないから今度あげるよ」と、

持ってきてくれた事もある


長男と次男が“公園に1泊の家出"をして、

健康ランドで確保された時、

心配してケーキを何個も持って、うちに来てくれたのも、この先生だ



先生にお礼を言って学校を出ると、神社を管理している自転車屋に寄った

神社に集まっていたのは、隣地区3丁目の子供会だと聞き、

3丁目の自治会長の家を調べ、向かった

事情を話すと子供会のリストをくれた

Aの写真を片手に、子供会の家を10件ほど回った


やはり、あの場に居た母親達は「ガラスが割れた時に居た男の子は3人だった」と答えた

でも、Aの写真を見せても「顔は覚えていないな」と言われ続けてしまった


顔までは覚えてないか…と思いながら、

リストの最後から2件目の家のインターホンを鳴らし、聞いてみると、

「A君で間違いないよ、

うちの息子と同じサッカーチームだから知ってるんだよね、

A君がボールを蹴ってるのを見て、危ないな~と思っていた矢先だったからさ」

「サッカーをやってるガタイがいいA君のボールを、

小さな小3の子が受けられる訳がないよ、

サッカーやってないんでしょ?

無理無理!!」と、その人は言った


「Aの母親は、“Aは神社に行っていない"と言っていて…」と言うと、

「あそこの家はちょっとねぇ…

A君を見ていた人が居たって、私の名前を出していいよ…

なんなら私が直接、言ってあげようか?」


Aを知ってる証人が見付かって良かった…


お礼を言って帰宅をし、Aの家に電話を掛けて、

うちのマンションの下に呼び出した




お昼寝中、白目むいてる18歳のお爺ちゃん

ここ最近、てんかんを起こす様になったから心配だ