まだ少し待っててね

20歳の次男が2017年4月に自死しました

因縁のA

長男が小学生の時、同級生にAという男の子がいた

私は、Aの母親が大嫌いだった

長男が小1からの6年間に、

この母親と私で揉め事が何回もあり、うんざりしていた


長男が小学校を卒業した春休み、

私が仕事から帰宅すると、近所の自転車屋から電話があった


「実は今日の昼間、〇〇神社の窓ガラスを、

おたくの息子さん2人とA君が割りました

うちが神社を管理しているので、割れた窓を新しい物と交換しました

まだA君の両親とは連絡がつきませんが、留守電を入れて置きました

A君と折半で、うちが立て替えたガラス代金を払って欲しいんですが…」


驚いた私は「すぐ行きます」と答え、

息子2人を連れて自転車屋に向かった


道中、何があったのかを息子達に聞いてみると、

3人が神社でサッカーをしてたら、Aが決めたシュートを、

ゴールキーパーの次男が取れず、

後ろの集会所の窓を割ってしまったという事だった


長男達が謝りに行くと、建物の中では、違う小学校の子供会が、

卒業生を送る会をやっていた

会に参加していた保護者達は、どうしていいかわからず、

「とりあえず3人の名前と連絡先を書いて」と言い、

ノートに書かせた後、3人を帰したという


自転車屋で謝って、窓ガラス代8000円を払うと、

「後でA君に連絡して半額貰って下さいね」と言われたが、

「うちは、もうあの家とは関わりあいたくないので連絡はしません」と答えた

店を出ようとしたその時、Aとその両親が現れた


自転車屋が「いま〇〇さんが、ガラス代金を全額払ってくれたので、

半分払って下さいね」と言うと、

Aの母親は「Aは神社には行ってない、

そんな話は知らないと言ってます」と答えた

自転車屋は、Aが書いた名前と連絡先のノートを見せたが、

Aの両親は「うちの子の字じゃありませんね」と即答した


そしてAの母親は、私に向かって

「あんたんとこのバカ息子が、勝手にAの名前や連絡先を書いたりするから、

うちがここへ来るハメになったんだ

本当に迷惑な話だ

Aは神社に行ってないんだから、ガラス代を払う必要なんかないんだよ」

と、ヒステリックに喚いていた


私は、また始まったか…と思い、知らんふりをして店を出ようとしたが、

息子達に向かって「この嘘つきが」と言った一言にカチンと来て、

店の前で口論になった


「Aは、その時間、2丁目公園で遊んでいたと言っているし、裏も取れている

だから神社でサッカーなんて出来る訳がないんだよ」

「自分の子供くらい、ちゃんとしつけろよ

母子家庭の家は、これだからだめなんだ

人様の家に迷惑を掛けるな、この嘘つきのバカが」


Aの母親は、私と息子を罵倒して帰っていった

息子達は、絶対に嘘なんかついてない

私は、Aが神社に居たという証拠を探そうと思い、

連絡先を書いたノートをコピーして貰った



次男は美少女とか書かれて、リボンを付けられ、遊ばれている


次男が居なくなってから、この様なプリクラや、

入っていたLINEのグループトークのスクショ、

小学校の時の先生がくれた写真入の暑中見舞や年賀状のデータ等を、沢山貰った


男の子は、あまりこういう物を残さないから、男の子同士の写真は少ない

やはり女の子はマメだな…と思った


小さな頃から、よく間違えられていたが、

高校生になっても女の子みたいだ

アニメ

次男が何年か前に録画したアニメが、レコーダーに残っている


つけてみたら、アニメ好きな長女も横に来た

時間も短く回数が少ないので、2期まで続けて観ていると、

行った事のある場所が出てきた


アニメに出てきた国営武蔵丘陵森林公園は、

水遊びが出来るし、ドッグランもある

森林公園がお気に入りだった私は、子供達や犬をよく連れて行った


ムーミンが好きだった長女の為に、

あけぼの子供の森公園に連れて行った

建物は可愛いし、楽しかった


アドベンチャーワールド

自転車に乗って探検中、餌のガチャガチャを回して、

振り返ると動物に囲まれていて驚いた


イルカに魚をあげた後に握手すると

ゴムみたいだった

とても可愛かった


和歌山に行ったついでに、円月島をバックに撮影

本当は綺麗な夕日を撮りたかったのに、赤くならずに残念だった



「なぜ山に登るのか?」

アニメの主人公の女の子が自分に問う

次男が山に登った理由は、人生の最期に山を選んだ理由は、

なんだったんだろう


家族で行った思い出の場所が映る度、

涙が出そうになった

高尾山

山登りをした事が無かった長女は、

8月に次男やボルダリング仲間と、富士山に登る約束をしていた

GWは、その予行練習の為に、秩父で登山する予定を入れていた

次男の事で、長女の埋まっていたGWの予定は全てキャンセルになった


富士山の山小屋の予約は、次男の分も入れてあった

「夏の富士山どうしよう…こんな事になったし、登るの辞めようかな」

「もう山なんて見たくもないし、聞きたくもないんだよね」

長女は悩んでいた


長男は友達4人と、高尾山に登る約束をしていた

「俺は行くよ、弟のリュックを一緒に連れてってやるんだ」

5月半ば、長男は高尾山に行った

帰りの車で、友達が居眠り運転をしたらしい

反対車線に飛び出てぶつけ、車は凹んだが、

怪我は誰もしなかったという


私は「もう、そういうのやめてよね~」言いながら、

たぶん次男が守ってくれたのかな…と思った


長男は次男に怒っているから、殆どお線香をあげないが、

弟の為に、高尾山のお土産を買ってきた

次男の事が大好きだった猫は、お骨にお尻を向けている

「次男くんの目が覚める様に、臭~いおならかけちゃえば?」

猫に言った


すると、考えていた長女は

「やっぱり富士山登るよ、弟も連れて行く」と言った

「秩父の予行練習に行けなかったんだから、長女ちゃんも高尾山行けば?

あそこなら毎年、紅葉見に行くのに登ってるけど楽勝だよ」

私がそう言うと、長女は友達と高尾山の約束をして、

富士山の山小屋は1人分キャンセルを入れ、

mont-bellに登山靴を買いに行った



この子は、動物番組や動画を凝視する

自分に似た猫を見て、猫パンチ猫パンチ