まだ少し待っててね

20歳の次男が2017年4月に自死しました

証拠集め

Aが神社に居たという証拠集めを始めた

2丁目公園は、小学校の野球チームに入っている子供達が、集まって遊ぶ公園だ


ピッチャーでエースだったB君のママは、私と歳も家も近く、

長男とB君が同級生、次女とB君の妹が同級生なので、

家族ぐるみで仲良くしていた


まずB君ママに電話をしてみると、何故か既にこの話を知っていた

「災難だったねー、

うちもAとは、前に色々あったんだけどね…」


幼稚園から仲の良いママ友グループは、大抵B君の家で集まっていて、

私もよくお呼ばれされたが、Aの話題が出た事は無かった


Aは野球ではなく、サッカーをやっていたが、

サッカー仲間に嫌われていて、誰にも相手にされない為、

野球チームが集まる2丁目公園に、遊びに来ていたらしい


ある日、公園でAは

「今日は金があるから好きな物を買ってやるよ」と、

自慢げに5万円を見せたという

野球チームの子供達は、お菓子やカードゲームを買って貰い、

その中にはB君もいた


後日、家から5万円が消えている事に気づいたAの母親が、

野球チームの母親達に

「Aは“野球チームに脅されている

怖いから仕方なく家からお金を持ち出したら、

カツアゲされて全額無くなった"と言っている

リーダー格はBだ」と騒ぎたてたそうだ


「あの時は精神的にやられたよ」

B君ママも被害にあっていた


「2丁目公園で遊んでいたから神社には行ってない、

裏が取れてる…なんて嘘だよ

うちだけじゃなく、野球チームの皆が被害にあってるから、

もうAと遊ぶ子は居ないし、Aの母親も誰にも聞けないよ」


B君ママに、2丁目公園でいつも遊んでいるメンバーを教えて貰い、

その子供達に「昨日、公園でAを見掛けた?」と聞いてみたが、

「もうずっとAは公園に来ていないよ」という返事しかなかった


B君も他の野球メンバーも、Aと同じ中学には行きたくないから、

隣の中学校を選択したと聞いた


ちなみに、長女の卒業と入れ替えで入学した長男の学年のクラス数は、

7クラスから5クラスに減っていた

全員がAのせいかどうかは、わからないが、

2丁目公園のメンバー達は、確実に越境して隣の中学に進学すると決めていた



次に、長男が卒業をした小学校の担任の先生に電話をした

「こないだ卒業したばかりで、春休み中なのに申し訳ありません

長男と次男とAが昨日、神社でガラスを割りまして…

名前と連絡先を残したノートは、

勝手にAの名前を長男が書いただけと、

Aの母親が言うので、筆跡を見て頂けますか?

あと、まだ卒業アルバムが届かないので、

Aの写真があったら貸して下さい」

「いいよ、明日学校においで」


次の日、先生はノートのコピーを見るとすぐに、

「あー、これはAちゃんの字だね、間違いない」と言った

「でもAの両親は、うちの子の字じゃないって言うんですよ」

「じゃあ、私に見せて確認済だって言いな

Aちゃんの親に、私が電話したっていいよ」

「それからAちゃんの写真だけどね、修学旅行の時のだけど、これあげるよ」と、Aの写真を2枚くれた


先生は、いつもうちを気にかけてくれて優しかった

「息子のお古だけど、ボタンだけ付け替えて、長男に着せてやってよ」と、学ランを3着くれた

家庭訪問の時に、レゴ自慢をした次男に、

「レゴブロックは良い玩具だね

もううちの息子は遊ばないから今度あげるよ」と、

持ってきてくれた事もある


長男と次男が“公園に1泊の家出"をして、

健康ランドで確保された時、

心配してケーキを何個も持って、うちに来てくれたのも、この先生だ



先生にお礼を言って学校を出ると、神社を管理している自転車屋に寄った

神社に集まっていたのは、隣地区3丁目の子供会だと聞き、

3丁目の自治会長の家を調べ、向かった

事情を話すと子供会のリストをくれた

Aの写真を片手に、子供会の家を10件ほど回った


やはり、あの場に居た母親達は「ガラスが割れた時に居た男の子は3人だった」と答えた

でも、Aの写真を見せても「顔は覚えていないな」と言われ続けてしまった


顔までは覚えてないか…と思いながら、

リストの最後から2件目の家のインターホンを鳴らし、聞いてみると、

「A君で間違いないよ、

うちの息子と同じサッカーチームだから知ってるんだよね、

A君がボールを蹴ってるのを見て、危ないな~と思っていた矢先だったからさ」

「サッカーをやってるガタイがいいA君のボールを、

小さな小3の子が受けられる訳がないよ、

サッカーやってないんでしょ?

無理無理!!」と、その人は言った


「Aの母親は、“Aは神社に行っていない"と言っていて…」と言うと、

「あそこの家はちょっとねぇ…

A君を見ていた人が居たって、私の名前を出していいよ…

なんなら私が直接、言ってあげようか?」


Aを知ってる証人が見付かって良かった…


お礼を言って帰宅をし、Aの家に電話を掛けて、

うちのマンションの下に呼び出した




お昼寝中、白目むいてる18歳のお爺ちゃん

ここ最近、てんかんを起こす様になったから心配だ