大みそか
子供の頃は、クリスマスが終わると、街やデパートの中とかが、 あっという間に年越しムードになるのが、面白いなと思っていた 祖父が障子を張替えたり、電球を取替えたり、車やカブにお飾りをつける 祖母は大掃除をしたり、黒豆を煮たり、お節の準備をする 紅白の後に、ゆく年くる年を観ながら年越し蕎麦を食べて、 ... 続きをみる
仕事納め
私が2年前まで勤めていた会社は、朝が早く夜も遅かった 「一緒に過ごす時間が少ないから、転職して欲しいな」 彼と同居を始める時に言われ、一昨年の11月に退職をして、 12月から近所でパートを探した 面接をすると、私の希望とは、仕事内容も勤務地も全く違うものになり、 車での通勤時間が、往復2時間も掛か... 続きをみる
8回目の命日
2年前に越してきた今の家は、前の家よりも部屋数が少なく、子供部屋は3部屋しかない 4人はジャンケンで部屋割をした 長女と次女は個別の6畳部屋に、長男と次男が8畳の相部屋に決まった 次男が寝ていたロフトベッドは、次女のおさがりだった 次女は4歳からピアノを習っていたが、 中学で吹奏楽に入部すると決め... 続きをみる
産み分け
「うまく産み分けたよねー」 色々な人に何回も言われたが、私は別に産み分けをした訳ではない 「子供は女女男の順番で、3人欲しいな」と、よく言っていた 私は弟と仲が良くないから、姉か妹が欲しかった 私の通っていた病院は、性別を教えない方針だった お腹の中の長女が9ヶ月になった時、院長が聞いた 「どっち... 続きをみる
抜けがら
最近の私は、前にも増して放心する時間が長い 気力が全く無いし、仕事を休みがちだ 仕事を休んでも何をする訳でもなく、ぼーっとしてると、 もう夕方になってたりして、慌てて夕飯の支度をする 色々な事が重なり、心が悲鳴をあげてるのか、叫びたくなる 子供達も夫も、私に気を使ってくれる 「~が美味しいから」と... 続きをみる
最悪な年
本当に今年は、なんだったんだろう? 嫌な出来事が立て続けだった 次男が逝ってしまった(4月) 洗濯機が壊れ、修理代は4万円(6月) 親戚の葬儀(5.9.11月) 車を停車中に追突された(10月) 飼猫が行方不明になった(12月) 1年に悪いことが、こんなに重なるのか…という感じだ 神様は、私のメン... 続きをみる
輪廻転生
死後の世界は、自分が死んでみないとわからない 本当に生まれ代わりがあるかどうなのかも… 私は、赤ちゃんの時の記憶が、少しだけある 祖父(母方)の家の居間の隣の部屋で、私がハイハイをしたら、 叔母達が拍手をして喜んでいた…とか、どうでもいいことだ けれど私には、前世の記憶が全く無い だから輪廻転生が... 続きをみる
Xmas Eve
去年はチキンを焼いた パスタ、シーザーサラダ、ピザ、パンプキンスープを作り、ケーキは買った ツリーを飾っていた場所には、今は次男の仏壇が置いてある どうしてこんな事になったんだろう… 去年までは考えたこともなかった 子供達が小さな頃、毎年サンタさんに手紙を書かせていた それを見て、こっそりトイザら... 続きをみる
当たり前
平成24年5月21日の朝、ベランダで次男と並んで金環日食を見た よその家からも「わああ」と声が聞こえてきて、 近所の人も見ているんだな…と思った 私は日食眼鏡を3つ買っておき、新聞奨学の寮に住んでいる長女が帰って来た時に、1つ持たせた 長女は「近所のおばさん達と、一緒に見たんだよ」と言っていた 次... 続きをみる
戻れない
子供の頃、この時期になると、必ず髪を切りに行かされた 短くしたくない私と弟は、泣いて嫌がることがあった 私は、美容室での世間話が苦手だ 話しかけられるのが嫌だから、読みたくもない雑誌を開く 「お仕事は何をされてるんですか?」 「今日はお休みなんですか?」 どこの美容室へ行っても、そんな質問ばかり…... 続きをみる
百人一首
たち別れいなばの山の峰に生ふる まつとしきかば今帰り来む(在原行平) 次男の誕生日の次の日、うちのキジトラ猫が家から消えた 来年19歳を迎える老猫は、完全室内飼いで、外に出たことが無い いつもだったら、私がベッドから出ると、足元にまとわりつく ご飯をあげる時も、スリスリと私の足に顔を擦り付けるキジ... 続きをみる
くちなし
2年前の7月まで我が家に居た犬は、散歩が大好きで、 無駄吠えを全くしない、おとなしい子だった 長男が産まれた頃、前夫が、私の祖母(母方)に借金をした 私が前夫と離婚した時、借金はまだ40万円残っていた 「前夫の借金は私が返すから」と、祖母に言うと 「1人で4人も育てて大変なんだから、少し余裕が出来... 続きをみる
反面教師
うちの子供達は4人共、反抗期が全く無かった さほど私が口を出さなかったからかもしれない 夕方の放送で家に帰る事と、車と知らない人に気を付ける事は、何度もしつこく言ったが、 勉強や寝る時間、ゲームやTVの時間などは、本人任せにしていた 子供達が側に居てくれさえすれば、それで安心した 自分が親にうるさ... 続きをみる
ポンペイ
長女は新聞奨学生で大学へ行った 入学金から授業料まで新聞社が立替え、 最後まで勤めあげれば、奨学金は返済する必要が無い 学校の近くの販売店の寮に住込み、新聞配達をする 寮費は無料で月々の給料も出るが、睡眠は毎日2~3時間で、 勿論、遊ぶ暇は全く無いし、体力的にもキツい だから学業と両立出来ずに、辞... 続きをみる
冬の電飾
数年前から12月になると、よみうりランドのイルミネーションに行くのが、 うちの毎年の恒例のイベントの1つになっていた 去年の暮れは、彼の転職等で行けなかったが、 一昨年は、長女と次男、彼と私の4人で行った 朝からアトラクションを楽しんだり、アシカのショーを見たりしながら、 夜になるのを待ち、観覧車... 続きをみる
思うこと
叔母(母の妹)の駐車場から…電線が邪魔くさい 明治13年に納骨された御先祖様から10人程が眠っている墓は、 平成2年に建て替えた直後、祖父(母方)が入る事になった 平成17年に祖母が亡くなって納骨された時、 当然、墓は長男の叔父(母の弟)が継ぐものなのだと思っていた でも叔父は「うちは他所に買うか... 続きをみる
シチュー
昨日は、早朝から高速に乗り、佐野厄除け大師へ向かった とにかく今年の最悪な運を、さっぱりしたかったのだ 祈祷が終わり、お札を頂いて「美味しいランチを食べてから帰ろうか」と、夫と話した ネットで探した、出来たばかりのカフェは、外観が綺麗で雰囲気も良かった 私達はチーズハンバーグとシチューで迷ったが、... 続きをみる
粘土細工
納屋の整理で、次男の思い出箱にしまってあった クレイアニメの“ニャッキ!"のキーホルダーを見つけた 「くいっく、くいっく」 言いながら、芋虫の真似して移動する次男が、とても可愛かった プチプチ・アニメ Knyacki No02 「サラダ」 粘土が得意で、幼稚園の先生は、いつも褒めてくれた 「なんで... 続きをみる
たこ焼屋
次男は高校に入学すると、たこ焼屋でバイトを始めた 面接の為に撮った証明写真は、口から下が途切れてしまったらしい 1回分の写真代しか持ってなかった次男は、そのまま履歴書に貼って提出した 店長は「この子は面白いな」と思って採用してくれた バイトを始めたばかりの頃は、練習で焼いた“たこ無し焼"を、よく持... 続きをみる
饅頭怖い
私が離婚した直後、ジブリの“平成狸合戦ぽんぽこ"のビデオを買ってあげた 2歳の次男は本編の前に入っていた落語を、くりかえし聞いていた 本編を見ずに落語だけ何回も聞くなんて、変わってるな~と思っていた 志ん朝 狸賽 「面白いよ~」 そう言っていたが、内容を理解できていたかどうかは、わからなかった N... 続きをみる
似る親子
私は寿司の食べ方が変わってると言われる ネタを取り、醤油をつけたらシャリに戻す 物心ついた時には、この食べ方だった 大人になってから、母と外食に出掛けた時に、 母がネタを取り、醤油をつけてシャリに戻すのを見た 知らず知らずのうちに、親の真似をしてたんだな…そう思った 水商売だった母は、夜中に酔っ払... 続きをみる
酉の市
前年の熊手を持って、いつも一緒に行っていた酉の市 年々、段々と大きな熊手にしていくのが縁起がいいらしいが、 私は予算が5000円で、同じ大きさの物を選んでいた 初めて購入した時は「1000円まけるよ」と言われ、 熊手の買い方を知らなかった私は「ラッキー」と、 そのまま払ってしまった 本当は、まけて... 続きをみる
私の悩み③
暫く悩んだ私は、“親と同居しない"と決め、実家に話しに行った 「結婚しようと言われている彼氏と、一緒に住む事になったから、ここには住めない 長男だし、いずれ東北に引越しするかもしれないから」 「一緒に新居を借りるなら、ここに住めばいいじゃないか」父(養父)はキレ気味に言った 「ここは仕事に通うのに... 続きをみる
私の悩み②
父がお願いした見積書の事で、営業に来た工務店は、私が断った 写真の向かって右隣の友達の両親は 「うちから学校に通いなさい」 と、家を出された16歳の私を、暫く居候させてくれた 朝食が出来ると起こしてくれて、 学校やバイトが終わって帰ると夕食が出来ていて、お風呂が沸いていた 普通の暮らしってこういう... 続きをみる
私の悩み①
はっきり言って、父(養父)は金遣いが荒い 金銭的に困窮しているのなら、それなりの生活を送ればいいのに、 あまり考えていないのか、それとも昔の感覚のままなのか、 生活レベルを落とすのが難しい様だった 「20万円貸してくれ」 3年前、父から電話で頼まれた 「ウォシュレットが壊れたから買い換えたのと、車... 続きをみる
21歳
次男の21回目の誕生日である今日は、いつも通り、ケーキと蝋燭を準備する 12月は、誕生日とサンタさんからのプレゼントで、 大きなLEGOを2個も貰えるから、次男がご機嫌な月だった この写真から10年目の誕生日を、 次男と迎えられないなんて、考えた事もなかった 洋品店をしていた、私の祖父(母方)は ... 続きをみる
母の溺愛⑥
「お母さんを殴ったら、痣が出来たから」 父(養父)が私にわざわざ報告したのは、何日か後に、 祖父(父方)の17回忌があったからだろう 痣を見れば私にバレる…と考えたからじゃないかと思った 母の担当をしている社会福祉士から、 「お母様の顔に痣があるんです、お父様から暴力を受けている様なんです」 と、... 続きをみる
母の溺愛⑤
正月2日は、祖母(父方)の家に集まり、新宿のレストランに食事に行くのが、毎年恒例だった 結婚後の弟は、正月2日は熱が出て、新宿まで来れないのが、毎年恒例になっていた 母は弟を心配していた 「正月から熱って大丈夫かしら?」 「大丈夫だよ、仮病なんだから」私は言った うちの子供達に、お年玉をあげない母... 続きをみる
母の溺愛④
「お互いの両親と、会社の人、少しの友達にしか式の案内状を出さないって、 2人で決めたから、親戚は呼ばなくていい」 母は、弟が言った事を、また真に受けた 「式当日、会場は嫁の親戚だらけ、うちは自分達だけだった もう情けなくて涙が出た」と母は言った 「式代だってお父さんには内緒だけど、300万円も出し... 続きをみる
母の溺愛③
弟は、散々脛をかじった30歳を過ぎてから、反抗期が来たらしい 子供達を連れて実家に行くと、2階の壁に穴が開いていたり、 冷蔵庫が凹んだりしていた 大学生の時に、ずっとボクシングをやっていたのだから、 そこそこのパンチ力は、あるんだろうが… 実家には、弟の彼女が泊まっている事が多かった お風呂に彼女... 続きをみる
母の溺愛②
弟が大学2年生になる頃、実家の家計は火の車になっていた まあまあ高給取りだった父は、窓際にされ、給料が減った 月々の家のローンが30万円、新幹線の定期代の赤字は8万円、 弟の学費と、仕送りの15万円 まだ5年しか住んでいない家を、売りに出す事にした 「だから最初から、いずれこうなるよって言ったのに... 続きをみる